初穂料とは?
初穂料とは、神社や神官に対して贈る謝礼のことで、安産祈願や厄払いなどで神社に祈祷をお願いするときに用意するお金のことを指します。

初穂料と似た意味を持つ言葉に「玉串料」というものがありますが、これも初穂料と同じく神社や神官への謝礼のことを指します。ただこの二つには、使いどころに決まりがあるため区別しておく必要があります。

今回は、違いが曖昧になりがちな初穂料と玉串料の違いや、必要になるシーンやマナーなどについて詳しく解説していきます。

初穂料と玉串料の違いとは?

  1. 初穂料の「初穂」とは?
  2. 「初穂」とは、その年に初めて収穫された稲穂のことです。

    日本では昔から、豊作を願ったり収穫の感謝を伝えたりするときに、初穂を神様に収めて感謝の気持ちを伝えていたとされています。しかし、初穂が獲れるのは限られた時期であることなどから、初穂の代わりにお金をお供えするようになったのが初穂料のはじまりといわれています。
  3. 玉串料とは?
  4. 「玉串料」とは、玉串の代わりに渡すお金のことです。

    玉串とは、神前にお供えする木の枝に紙垂(しで)をつけたもので、神様との仲立ちをする役割を担います。ちなみに玉串に用いる木の枝は、榊(さかき)が一般的で、神様が宿るとされています。

    本来、玉串は祈祷してもらう側が用意するものですが、準備が難しいため神社側が用意したり、お金で代用したりするようになったことが「玉串料」の起源とされています。
  5. 初穂料と玉串料との違い
  6. 初穂料と玉串料は「神様にお供えするもの」という点では同じ意味を持ちます。

    異なるのはその用途で、初穂料はお祝いごとのみに使われますが、玉串料はお葬式などの弔事でも使われています

    また、初穂料はお祝い事であれば使えるため、お守りやお札の購入時にも使いますが、弔事でも使われる玉串料については、お守りやお札には使わない傾向があります。
初穂料が必要なタイミング
お祝いごとに使われる初穂料は、一体どのようなときに使われるのでしょうか?初穂料を供えるタイミングについて、具体的に見ていきましょう。
  1. お守りやお札をいただくとき
  2. 神社でお守りやお札をいただくとき、おみくじの代金も初穂料と呼びます。
  3. 祈祷や行事のとき
  4. 安産祈願や大祓などの祈祷をお願いするときの代金も、初穂料と呼びます。他には、厄払い、地鎮祭、棟上げ、婚礼、七五三、お宮参りなどのお祝い事にも初穂料は用意することがあります。

    祈祷などの初穂料をお金のまま渡すのはマナー違反とされているため、のし袋などに入れて受付へ渡しましょう。
初穂料に関するマナー
  1. 表書きの書き方
  2. 熨斗袋の表書きには「初穂料」「御初穂料」と記載しましょう。また、名前の入れ方は祭事ごとに異なるため、その都度調べましょう。
  3. 水引の選び方
  4. 婚礼など「繰り返さない方が良いお祝い」には、結びきりやあわじ結びを選びましょう。記念日や出産祝い、厄払いなど「何度あってもいいお祝い」に関しては、蝶結びの水引を選ぶのが一般的です。お祝い事の種類によって水引の選び方が変わるので、事前に調べておくと安心です。
初穂料はお寺にも使える?
お寺で初穂料を納める場合、「布施」「御供」として納めるのが一般的です。ご祈祷の種類やお寺ごとに決まりがあるため、事前に確認したうえでお寺の習わしに従って対応しましょう。
初穂料はお寺にも使える?
「初穂料」と「玉串料」は、同じ意味でも使いどころが異なります。また、お寺では「布施」「御供」として納めるのが一般的です。いずれも神様へ納めるお金とされているので、感謝の気持ちが伝わるようにマナーを守りましょう。
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