テイカーってどんな人?
テイカーとは、自分がより多くの利益を得るために行動する人のことをいいます。たとえば、自分が有利になるように動いたり、他者の利益をあまり考えずに行動する人はテイカーと言えます。
この最近耳にするようになった「テイカー」という考え方は、組織心理学・アダム・グラントの著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)によるものです。「テイカー」の他にも「ギバー」「マッチャ―」という3タイプが存在し、著書ではその特徴とそれぞれの成功について書かれています。
今回はこの著書にある「テイカー」「ギバー」「マッチャ―」を参考に、人間関係を豊かにするための方法を紹介していきたいと思います。
「テイカー」「ギバー」「マッチャ―」とは?
- テイカー
テイカーとは、自分の利益を優先して、他者より多くの利益を得ようとする人のことです。
他者の利益には関心がなく、自分の利益を一番に考えて行動します。世の中を競争社会だと思っていて、常に自分が優位であろうとするところもあります。
ただ、冷酷なタイプというわけではなく、自分を守ろうとする防衛本能からくる心理があるのでこのような性質になっているのだといわれています。
- ギバー
ギバーとは、他者が何を求めているかを一番に考えて行動する人のことです。相手の利益を一番に考えていて、見返りを求めません。
ギバーには事後偽性型と他者志向型の2種類があります。自己犠牲型は、他者の利益に関心が高く、自己の利益には無関心で、損することを甘んじるタイプです。他者思考型は、他者の利益にも自分の利益にも関心があり、与えられることも快く受け入れるタイプです。
- マッチャ―
マッチャーとは、他者の利益も自分の利益も、平等であることを望む人のことです。「ウィン・ウィン」や「ギブアンドテイク」の精神があり、与えたら与え、与えたらそれに見合う見返りが欲しいタイプです。
良いことも悪いことも、すべてが平等であるべきと考えているので、目には目をの精神も持ち合わせています。
あなたはどれ?「テイカー」「ギバー」「マッチャ―」診断
一番多くのチェックがついたものが、あなたの主な性質です。さてあなたは、テイカー?ギバー?マッチャ―?
- テイカー
- ギバー
- マッチャ―
成功できるのはどのタイプ?
- 本に書かれている答え
本には、ギバーが成功者といわれています。
なぜなら「誰かのために与えられる」という性質から周囲の評判がよく、他者への善行が自分に返ってきやすいためです。また、信頼されやすい、穏やかで人間関係を築きやすいといった点も、成功者であるポイントだといわれています。
さらにギバーの性質を持つ人は、周囲を巻き込みながら成功の波を作れるタイプであることも成功者となる理由だといわれています。ギバー1人が成功するだけではなく、他者へもその恩恵を与えられるため、良い影響を与えあう人の輪ができて行くのだそうです。
- 他のタイプは成功者になれない?
ギバーではないからといって、成功者になれないわけではありません。たとえば、テイカーは自分が望んだだけの利益や成功を手にしやすいタイプです。また、マッチャーも自分が与えた善行分を返してもらおうとする性質のため、相手が返してくれれば幸せは得られます。
ただし、テイカーは自分の利益だけを重視するので周囲から良い印象を抱かれにくく、マッチャーは与えた分の利益しか得られない可能性もあります。もし、あなたの望んでいないところからも幸せをもらいたいと思うのであれば、ギバーの方が幸福度は上がっていくでしょう。
相性がいいのはどのタイプ?
- 相性がいいのはどのタイプ?
ギバーとマッチャーの組み合わせは、お互いに利益を享受しやすい組み合わせです。ギバー同士でも結果的にマッチャーになるため、ギバーが摂取され続けることがなく、かつ「相手に尽くしたい」といった願望をかなえられるでしょう。
- 相性が悪いのは「ギバー×テイカー」
尽くす性質のギバーと相手から摂取する性質のテイカーは、ギバーが自己犠牲を強いられる関係になります。ギバーが本来得るはずだった利益も、テイカーによって奪われる可能性もあるでしょう。
決めつけず柔軟に人と関わろう
ギバーとテイカー、マッチャーのなかでいえば、成功しやすいのはギバーといわれていますが、他のタイプも成功しないわけではありません。また、どれか一つに大きく偏っている人も稀です。決めつけずに人を見て、柔軟な人付き合いをしてみましょう。
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