カリギュラ効果とは？禁止されるとしたくなる心理、活用法を解説

カリギュラ効果とは、 禁止や制限をされるとむしろ意識が向いて言われたこととは反対の行動を取りたくなる心理のことをいいます。別名カリギュラ現象ともいいます。

例えば、親に「ゲームを今日はしちゃだめ」と言われると、言われるまではする気がなかったのにゲームが気になってしたくなってしまうというのがカリギュラ効果です。他にも、「ボタンを押すな」「この戸を開けてはいけません」「混ぜるな危険」など、人は強調された禁止事項ほど意識が向いてしまうことがあるのです。

この効果は、商品広告や恋愛、そしてダイエット成功法など様々なところで応用されています。では一体どんな使われ方がされているのか、カリギュラ効果のメカニズムとともに詳しく見ていきましょう。

1. 語源
カリギュラ効果の「カリギュラ」とは、1980年に公開された映画のタイトルから来ています。

映画『カリギュラ』の内容はカリギュラというフィクションのローマ皇帝の傍若無人さを描いたもので、とても刺激的であるという点から上映禁止になる地域が出てきました。しかし、上映禁止になったことで興味を持つ人が増え大ヒットへと繋がったそうなのです。この現象から「カリギュラ」と名前がつきました。

この映画が大ヒットした現象になぞらえてできた用語であるため、カリギュラ効果は正式な学術用語ではありません。カリギュラ効果と近い心理学用語は「心理的リアクタンス」だそうです。
2. メカニズム
カリギュラ効果はなぜ発生するのか。それは、禁止や制限がストレスとなり、人はそのストレスを解消するために反射的な行動を取ってしまうからだといいます。本来、人は自分の行動を自分で決めようという意思があり、禁止事項や制限は気付かぬうちに大きなストレスになってしまうのです。

1. ビジネス面
カリギュラ効果は多くのビジネスシーンで活用されています。例えば、「数量限定」「期間限定」「会員限定」などです。限定することで希少性を上げ、早くに購買の決断をさせるように促しています。

他にも、広告では「やせすぎて困る人は見ないでください！」というコメントをつけることによって視聴者の好奇心を掻き立てています。
2. 恋愛
恋愛におけるカリギュラ効果の活用法は、よく聞く「押してダメなら引いてみな」の原理と同じです。今まで好きアピールをしていた人がいきなりそっけなくなると、そっけなくされた側は「もう好きじゃなくなったのかな？」「何か怒らせたかな？」と心配になります。この不安からくるストレスによって相手に好かれようと、反対に追う側になるという訳です。
3. ダイエット
ダイエットをするときに「ご飯は腹8分目までしか食べちゃダメ！」と決めるとそれがストレスになり、8分目どころか今まで以上に食べ過ぎてしまうことがあります。これもカリギュラ効果です。そのため、ダイエットを成功させる秘訣は禁止事項を作らないことといえます。

例えば、食べないことに意識を向けるのではなく、食べることに意識を向けてみます。「朝はヨーグルトとバナナといちごとプロテインを食べる！」と決めます。すると、不思議なことに「食べないようにしないと」と思っていたときよりも食事の量が多く感じるようになることがあります。

1. ビジネス面
制限の範囲によっては消費者の反感を買う可能性があります。消費者への制限をする理由を明確に示すこと、ニーズや程度を理解したうえで行うことがカリギュラ効果成功のポイントです。
2. 恋愛
カリギュラ効果が恋愛面で得られるのは、ある程度アプローチをかけていた人だけです。関係性が薄い状態でそっけなくしても、ただの仲良くない人になるだけです。好きアピールでなくても、相手への関心が高いことを示すだけでカリギュラ効果を得られる土俵は築けます。よく話かける、目をしっかり合わせるなど恋愛の基本はしっかりおさえてからカリギュラ効果を実践しましょう。
3. 教育
「○○しちゃだめ」と言って叱ると、なぜダメなのかを身をもって経験しようとしてしまうので逆効果です。やって欲しくないことは、しっかり理由を説明して子どもに判断させるようにすると良いかもしれません。

例えば、「ここではたくさんの人がいて、ママと離れると迷子になるよ。だからママと離れないようにして欲しいな。手をしっかり握っておく？それとも離れないように手を繋がないで歩く？」とこのように選択肢を示すことで、「離れないで！」と伝えるよりは子どもに離れずにそばにいてもらうことができるでしょう。

カリギュラ効果は良くも悪くも、簡単に人に影響を与えてしまいます。カリギュラ効果に振り回されず上手に使いこなせるようになると、今までよりも生活しやすくなるかもしれませんね。 お気に入りに追加する