吊り橋効果とは?
吊り橋効果とは、揺れる吊り橋のような恐怖や興奮を感じる場所に一緒に居る人に対して、恋愛感情を抱くようになるという心理効果のことです。

吊り橋効果はカナダの心理学者が吊り橋を使った実験をもとに提唱したもので、実験は18歳から35歳の独身男性を集めてカナダバンクーバーにある高さ70mの吊り橋と揺れない吊り橋の2箇所で行われました。揺れる吊り橋の中央には女性がおり、男性が歩いて行ってアンケートをし、「結果が気になるなら後日電話をください」と伝えると、揺れない橋よりも揺れる橋にいたときの男性の方に電話をかけてくる女性が多かったという結果が出ました。

吊り橋効果は、不安を感じた時に出るドーパミンが恐怖を楽しさに変えていることによるものではないかと考えられています。例えば、一緒にジェットコースターに乗った男女には絆が芽生えやすくなります。ジェットコースターで感じた恐怖がドーパミンによって楽しさに変化し、その感情を一緒に乗った相手への気持ちだと勘違いしてしまうというのです。

また、恋愛だけでなくビジネスシーンでも吊り橋効果は使うことができます。例えば、チーム全員で乗り越える必要のあるドキドキを味合わせることでチーム力の向上に役立てたり、商品や自分を売り込む紹介文などで好印象を残したりすることができます。

吊り橋効果は本当にあるのかということと、吊り橋効果を使うときのコツを詳しく解説していきます。

恋愛への効果は本当にあるの?
興奮するところに行くことで恋愛感情に至るのかというと、一概にそうだとは言い切れません。理由は2つあります。

1つめの理由は、心拍数が上がっている理由が明確である場合、胸のドキドキを恋愛と錯覚しないからというものです。例えば、ライブ会場のようなドキドキする対象がアーティストだとはっきりわかるときは、そのドキドキを恋愛感情だと勘違いすることはないでしょう。ただしこの場合、恋愛感情だと錯覚しにくいだけで相手への好感度は上がることがほとんどです。

2つめの理由は、吊り橋効果は正確には性的興奮によって相手に好意を感じたという結果であるからというものです。性的興奮と恋愛感情は必ずしも一致するというわけではないので、吊り橋効果が一概に恋愛への効果があるとは言い切れないのです。

しかし、吊り橋効果を使うことによってドキドキするのは間違いなく、相手に好意を抱くのも事実です。この抱いた好意をうまく利用することで恋愛に発展させられる可能性は大いにあります。コツを知って恋愛に活かしてみましょう。
吊り橋効果を使うときのコツ
  1. 緊張を強要しない
  2. 吊り橋効果を狙って無理やり怖い所に連れて行くのは逆効果です。例えば、お化け屋敷が苦手な人を無理やり連れて行っても、ただ怖がって最悪な気分になるだけで楽しいドキドキは感じません。不安や恐怖を持ちながらもある程度、楽しむ気がある人に緊張を与える場所に連れて行くといいでしょう。
  3. 何回も吊り橋効果を使わない
  4. 何回も吊り橋効果を使うのは逆効果です。「この人といるといつも不安や恐怖を感じる」と無意識で感じさせてしまう可能性があります。そうすると恋愛どころか、相手が離れて行ってしまうでしょう。吊り橋効果を使うのは最小限にして、素直に楽しいと思える瞬間を増やしたほうが良いでしょう。
  5. 容姿と性格も大事にする
  6. 吊り橋効果は、容姿が好みでないと効果がないと言われています。また、話していて楽しい、一緒にいて心地いと感じるような気の合う相手でないとドキドキしても恋愛に発展しません。吊り橋効果に頼りすぎず、見た目の自分磨きをすることと、相手をいかに楽しませるかを大事にしましょう。
吊り橋効果を使った恋愛テクニック
  1. 一緒に運動する
  2. 運動をすると心拍数が上がります。心拍数の上昇をそのとき一緒にいる人への好意だと勘違いしてもおかしくありません。そのうえ運動は、ノルマを終えると達成感が生まれて楽しい気持ちを味わうことが出来ます。単なるドキドキが楽しいドキドキとして認識されるのです。サイクリングやジョギング、ボルダリングなど少し息が上がる程度のものならどんなスポーツでも効果があるでしょう。
  3. 一緒に映画を見る
  4. 映画を一緒に見ることによって興奮し、それを恋愛感情と勘違することがあります。映画館は暗くて音が大きいうえに、これから始まる楽しいものへの期待が芽生えるので、よほどつまらない映画でなければドキドキすることができます。また、映画館は座ることで相手との距離が近くなるので、心の距離感も縮まりやすい環境といえます。映画館なら頻繁に誘っても嫌な気分にならないので、比較的難易度の低い恋愛テクニックです。
  5. 一緒に遊園地に行く
  6. ジェットコースターやお化け屋敷、体験型アトラクションなどで楽しい時間を一緒に過ごすと、恋愛に発展しやすくなります。しかし、ジェットコースターやお化け屋敷が苦手な人もいるので、無理強いしないようにしましょう。無理強いしてしまうと、ストレスになって嫌われてしまいます。遊園地に一緒にいった人止まりになるか、恋愛対象になるかは遊園地をどれくらい一緒に楽しめるかにかかっています。吊り橋効果に囚われて、相手への配慮を忘れてはいけません。
  7. 一緒にお酒を飲む
  8. お酒を飲むことで高揚感が生まれて、恋愛対象として見えるようになることがあります。アルコールは気持ちをリラックスさせる効果もあるため、会話が弾みやすくなるでしょう。しかし、お酒が苦手な方は失態を見せて幻滅させてしまう可能性があるので、ほどほどの量に留めた方が良いでしょう。
  9. 一緒に共通の趣味を楽しむ
  10. 上記のテクニック以外にも、相手が楽しめるものであれば吊り橋効果は発揮されます。そしてできれば自分も一緒に楽しめるものが良いでしょう。楽しくないという気持ちは相手に伝わってしまうので、嘘をついたり誤魔化したりするよりは本気で楽しめるものの方が効果的です。実際に吊り橋効果を使って相手の心を掴む前に、会話によって相手の好みを把握すべきということですね。
吊り橋効果の持続性はどのくらい?
吊り橋効果の持続性は最短で1日ほどです。日数が経つにつれて興奮は薄れて行くので、吊り橋効果の効力は薄くなっていきます。また、吊り橋効果は興奮を恋愛感情と錯覚させるものです。そのため、錯覚していると気がついてしまえば恋愛には発展しません。

吊り橋効果を長続きさせるためには、「もう一度あのドキドキを味わいたい」と思わせるだけの体験をさせることと、単純接触効果という頻繁に会う相手に好意を抱くという効果を狙って、相手が自分に好意を持っているうちに再度会うことが大切です。15日以内が目安です。
まとめ
吊り橋効果は、うまく使えば恋愛に発展する優れた心理効果です。しかし、緊張する場面に無理強いをしてはいけません。むしろ嫌われてしまう可能性もあります。ぜひ吊り橋効果で素敵な恋愛を楽しんでください!
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