マントラとは?

マントラ(mantra)とは、サンスクリット語で「思考の道具」を意味し、一般的には「言葉」や「呼びかけ」を指す言葉です。日本語では「真言」と訳されます。

また、マントラは、日本でいう祝詞(のりと)のような神に対して唱える「祈り」「祈祷」「賛歌」でもあります。

そして、瞑想やヨガで唱えるマントラは、簡単に言うと「集中を高めるための言葉」のことをいいます。

様々なところであらゆる意味を持つ「マントラ」ですが、今回は瞑想やヨガで使われる「マントラ」について深堀りしていきたいと思います。

では、一緒に見ていきましょう!



マントラの語源・成り立ち

マントラは、man(思考する)-tra(道具)という2語に分けることができます。つまり、思考するための道具=言葉という意味になります。

ヒンドゥー教の前身であるバラモン教でマントラは、神に対する「賛歌」や祭式で使う道具などにかける「祭詞(神聖な言葉)」などを指していました。いわゆる、神や自然への祈りや祝詞のようなものです。

お経や呪文と似ているところはありますが、マントラ=お経/呪文と表現するのは少し違います。

自然への賛歌を呪文と表現する場合の「呪文」には一致しますが、特別な力を発動するための「呪文」とは一致しません。また、お経も同様に、完全一致するものではありません。

では、瞑想やヨガでのマントラにはどんな意味があるのでしょうか。つぎで詳しく見ていきましょう。

ヨガや瞑想でマントラを唱える理由

瞑想やヨガでマントラを唱えるのは、気持ちを落ち着かせるためです。神への祈りや賛歌といった意味は含まれません。

ただ、神聖な言葉として扱われていることには変わりなく、唱えた言葉によって集中を高めるという目的を達成するための言葉として重要視されています。

マントラの代表的な言葉・効果一覧
  1. AUM(オーム)
  2. 効果:リラックス

    オームは、プラナヴァと呼ばれる言葉で、明確な意味を持ちません。プラナヴァとは、リスト教でいうアーメンという祈りの言葉のようなもののことをいいます。オームには、深い呼吸を促してリラックス状態をもたらす効果があります。初心者でも唱えやすいマントラです。
  3. SHANTI(シャンティ)
  4. 効果:感情を安定させる、安らぎを得る

    シャンティは、「平和、穏やかさ、至福」といった意味があります。心を落ち着かせ安らぎをもたらしてくれるマントラです。
  5. SOHUM(ソーハム)
  6. 効果:自分と世界の繋がりを感じる、集中を高める

    ソーハムは唱えることで自分以外の存在の認識を高めることができるといいます。ソーハムを唱えながら呼吸を意識することで、ヨガや瞑想への集中力を高める効果があるとされています。
  7. AHUM(アーハム)
  8. 効果:自分を再確認する、気持ちの安定、宇宙を感じる

    アーハムは、自分の存在を肯定するという意味を持っています。自分自身を受け入れることで、心に安定をもたらすことができます。
マントラ瞑想の効果

マントラ瞑想とは、マントラと呼ばれる言葉を唱えながら瞑想することをいいます。マントラを唱えることで、普通の瞑想では難しい「集中」や「無の状態」を実現しやすくなります。

マントラ瞑想にはメリットもあり、日々の生活に取り入れる人も多いのだそうです。では、どんな効果があるのか見てみましょう。

  1. 精神が安定する
  2. マントラ瞑想は、脳内の情報をすっきりさせてストレス軽減を目指すことができます。日々の雑多な情報の中で生きている現代社会の人にとって、静かな空間で無に近づくことはとても有意義なことです。必要な情報だけを頭に残しておくことができるので、ストレスがなくなったり、負の感情に執着せずにすんだり、感情のコントロールがしやすくなります。
  3. 身体が軽くなる
  4. 脳内がすっきりすると睡眠の質が向上したり、ストレスが少なくなることで免疫力が上がったりします。マントラ瞑想は、精神や脳内だけに効果があるのではなく、体全体を整える効果があるのです。
マントラ瞑想のやり方
  1. 楽な姿勢で座る
  2. 静かで落ち着ける環境を作ります。自分が楽だと思う姿勢で座りましょう。長時間座ることが難しい場合は、椅子に座っても問題ありません。
  3. 目を閉じる
  4. 落ち着ける姿勢を取れたら、ゆっくりと静かに目を閉じていきます。
  5. 深呼吸をして体の力を抜く
  6. 静かに目を閉じたあと、呼吸を整えて瞑想状態に入ります。まずは深く、ゆっくりと深呼吸を行いましょう。体の隅々に空気が行きわたるようなイメージで行ってください。
  7. マントラを唱える
  8. 深呼吸を繰り返し、呼吸が整ってきたらマントラを唱えましょう。好みのマントラで構いません。初心者におすすめなのは、「オーム」です。
  9. 5~8分程経ったら目を開ける
  10. 瞑想は5~8分間続けます。この間は、絶えず呼吸とマントラを唱えることに集中しましょう。途中で違う考えが浮かんできても、中断せずにマントラに集中を戻していきましょう。
マントラ瞑想のコツ
  1. 唱えるマントラについて
  2. マントラは、意味や言いやすいものの中から選びましょう。中には長い文章もありますが、慣れていない始めのうちは短い単語から選ぶと、口に馴染んで効果を実感できます。
  3. マントラ瞑想をするタイミングについて
  4. マントラ瞑想を行うタイミングは、朝の時間帯がおすすめです。一日の始まりをマントラ瞑想によって、整った気持ちで迎えることができます。

    ただ、基本的にはどの時間帯に行っても問題ありません。行う頻度も気が向いたときで大丈夫なので、回数や時間帯に捕らわれず、自分の好きな愛民具で行いましょう。忙しいときは時間を短くして行う方法もあります。
  5. 雑念との向き合い方
  6. 瞑想に集中しても、雑念はどうしても湧いてしまうものです。完璧に行おうと思うほど気になってしまうので、まずは呼吸とマントラに意識を集中してみてください。また、なるべく静かな環境でおこなったり、お気に入りのアロマや音楽を取り入れると、集中しやすい環境を作れます。
まとめ

ヨガや瞑想で取り入れられるマントラは、気持ちを落ち着け集中力を維持する効果があるといわれています。自己成長やポジティブな気持ちを育んでくれるマントラ瞑想を行って、ぜひすがすがしい生活を手に入れてみてください。

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