鈍感力とは?
鈍感力とは、ストレスとなる要因を上手く受け流したり、気付かないふりをすることです。たとえば、相手の勘違いでちょっとした行き違いが起きたとき、相手のミスをつつくのではなく、受け流すことでお互いにストレスを感じないようにすることをいいます。
鈍感力は、ストレスフルな環境から身を守るために必要なスキルとして現在注目されています。つついてもどうしようもないことに囚われるのではなく、気持ちを切り替えるほうが生産的だという考えが広まっているということなのでしょう。
今回はそんな鈍感力について詳しく紹介していきます。鈍感力とはいったいどのようなスキルなのか、一緒に見ていきましょう。
「鈍感力」と「鈍感」の違い
鈍感とは、起きている事象に対して何も感じない、または感じにくい、気付かないことを指します。類義語としては、空気が読めない、人の気持ちが分からないといった言葉が挙げられます。
鈍感は意図せずそうなることをいいます。一方、鈍感力は自分の意思で鈍感であるように振舞うことです。鈍感力の類義語には、思いやり、自己防衛といった言葉が挙げられます。意図してするのと意図せずそうなるのでは、だいぶ差がありますよね。
このように鈍感力は、自分自身や守るために、意図して発揮するスキルなのです。
鈍感力が注目される理由
- 多様性に対応するため
鈍感力を身に付けることで、いろんな価値観を持つ人と認め合うことができるようになります。現代社会は価値観が非常に多様化しています。その中で、お互いの考え方を押し付けたり、分からない価値観を無視し続けたりするだけでは、誰ともいい関係を構築できません。この点では、鈍感力は察する力ともいえるでしょう。
- 柔軟な動きをするため
現代社会は変化の激しい時代です。鈍感力があれば、仕事内容や人など変化の激しい環境に対応することが叶うでしょう。また、煩わしい考えに囚われることがなく、すぐに次のアクションを起こせるようになります。
- ストレス緩和のため
情報量も人も多い現代社会でストレスを全く感じないということは、ほぼ不可能です。平和に生きようとしていても、人にちょっかいを出す人というのはどこにもいるものです。その全てを相手にするわけにはいきませんよね。そこで鈍感力があれば、ちょっとしたストレスを感じやすいようなことでも無難に流すことができて、ストレスを感じずに済むのです。
鈍感力を身につけるメリット
- ストレス軽減
鈍感力を身に付けると、不要な気遣いや些細なやっかみに振り回されなくなります。人に必要以上の気を使ってしまうのは「これをしたらあの人は不機嫌になるかもしれない」「今あの人は不機嫌な気がする」という要らぬ心配から来ていることがあります。鈍感力があれば、明言されたこと以外は何も気にならなくなるので、人の機嫌をとらずに済むようになることができます。
- 傷つくことが減る
厳しいことを言われても、鈍感力を身につけることである程度は流せるようになります。人から少し嫌なことを言われたからといって人生どん底に感じるほど気にする必要はないし、その人の言うことが全てとは限らないから気にしないでいいやと思えるようになるのです。
- 執着がなくなる
過剰なこだわりや思い込みは先に進めなくなるだけではなく、自分自身を縛り苦しめてしまうことがあります。苦しくなるほどの執着は一度手放して、客観的に状況を見つめ直したほうが上手くいくときがあります。鈍感力は、その執着心に軽く蓋をする役目を担ってくれるのです。
- 自分軸になれる
無理して人に合わせてしまうと、それがストレスになり、自分自身が苦しんでしまっている方も少なくありません。鈍感力があれば、周囲の苦言をある程度無視することができるため、自分が望んでいるものに集中できるようになります。
- 必要なものだけを選べる
SNSが発展した現代社会では、情報過多な面も持ち合わせています。たくさんの情報の中で、自分にとって必要なものを取捨選択しなければなりません。鈍感力により、不要な情報を遮断して頭の中をすっきりさせておけるでしょう。
- 前向きになれる
鈍感力を発揮できれば、多少の失敗なら引きずらずに済みます。前向きな気持ちで、つぎ失敗しないようにするための方法を考えたり、気持ちを切り替えて明るく仕事仲間と関わったりすることができるようになるのです。
鈍感力を使うデメリット
- 周囲を不快にすることがある
鈍感力が行き過ぎるとただの鈍感な人になりかねません。人の気持ちの機微に気付かなかったり、必要な気遣いができなかったりします。
- 成長を止める原因になる
鈍感力を発揮して、叱られたことを省みないことも問題になります。同じ失敗をしてしまったり、スキルの向上につながらなかったり、自分の可能性を狭めてしまうでしょう。
鈍感力の鍛え方
- 考え込みすぎない
何かに失敗したとしても、時間が解決してくれることがほとんどです。万が一ミスや間違いを犯したとしても、必要以上に考え込んでしまったり、自分を追い込むことは止めましょう。物事を深く考え込んでしまうと、前に進めなくんってしまいます。
- 完璧主義をやめる
どんな人も完璧にはなれません。人それぞれに得意なこと不得意なことがあることを認識して、人に過剰な期待をするのはやめましょう。自分しか気づかないようなことがあるのなら、先回りして片づけたり、人に指示を出したりして解決を図りましょう。
- 俯瞰で物事を見る
あらゆる視点で物事を考えるクセをつけましょう。たとえば自分のことを第三者目線で見てみたり、嫌なことを言う人の気持ちに立って理解してみたりすることで、嫌な気持ちが解消されます。これを繰り返せば、自然と俯瞰で物事を見るくせがついて、ちょっとしたことなら大きな心で受け止めることができるようになります。
- マインドフルネスになる
マインドフルネスとは、今の状況にだけ集中することです。過去や未来にとらわれないことで、今目の前の課題をこなすための情報以外をシャットダウンできるようになります。
鈍感力を使うときの注意点
- 鈍感な人にならない程度にする
鈍感力は、意図して発揮するスキルです。意識せずにただの鈍感な人になってしまうと、察しの悪い人として煙たがられる可能性があります。状況に応じて柔軟に対応するようにしましょう。
- 対策も一緒に考える
鈍感力が必要な場面に出会ったら、次は鈍感力を使わなくて済むようにするための方法を考えてみましょう。自分が先手を打って対策を行うのか、傷つくことを言う人から距離を取るのか、自分にとって最善策を考えてみてください。
- ストレス発散方法を用意しておく
鈍感力を発揮できても、すべてのストレスを回避できるわけではありません。どうしてもストレスを感じてしまうときのための、発散方法を用意しておきましょう。「○○をすると集中できる」など自分なりの切り替えスイッチを作るのも良いでしょう。
まとめ
現代社会において、鈍感力は自分自身を守るために必要なスキルの1つです。鈍感力を身に付けることで、対人関係や仕事で悩んだときも、前向きに進めるようになります。ぜひ試しに鈍感力を使ってみてください。あなたがポジティブに過ごせるよう応援しています。
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