
「ご武運を」の意味とは?
「ご武運を(ごぶうんを)」とは、もとは戦場へ向かう人に対してかける「無事に帰ってきてください」「勝ってください」という意味の言葉です。そして現代では、大事な仕事や試合の前にかける「幸運を祈ります」「成功を願います」という意味の言葉に転じました。
あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、アニメや映画などでたまに耳にするので、ぜひ詳しくなっておきたいところですよね。ということで今回は、「ご武運を」の由来や使い方を詳しく解説していきます。
「ご武運を」の由来
「ご武運を」は、「ご武運を祈っています」を縮めた表現です。「ご武運」とは、南北朝時代から用いられている戦場における勝敗や命運、あるいは武人としての出世や成功を左右する運のことを指します。
現代に置き換えると、「金運」や「仕事運」などの言葉と同じような意味と言えます。
「ご武運を」の使い方
「ご武運を」は、相手の成功を願うときに使える言葉です。ビジネスシーンで使われることも多く、目上の人や上司に対して使っても問題ありません。
ただし、「戦に出る」という意味で使われていた言葉であるため、少し重く受け取られてしまう場合もあります。なるべくビジネスメールやフォーマルな場では避け、親しい間柄やカジュアルな場面で使用しましょう。
では、「ご武運を」に関する例文を見ていきましょう!
- 例1
- 例2
- 例3
B「ありがとうございます。」
B「ありがとうございます。頑張ってきます!」
B「恐悦至極にございます」
「ご武運を」の言い換え表現を見てみましょう。
- 「健闘を祈ります」
- 「幸運を祈ります」
- 「応援しています」「頑張ってください」
勝ち負けにこだわらず、挑戦する気持ちそのものを後押ししたいときに使うと良いでしょう。
「ご多幸をお祈りいたします」「幸せを願っています」などのバリエーションもあります。
中には「頑張って」といわれることが苦手な方も居るため、相手の反応を見て使用しましょう。「応援しています」は、「頑張ってください」よりも与えるプレッシャーが少なく、相手に寄り添う姿勢を伝えることができます。
「武運長久(ぶうんちょうきゅう)」とは、戦場での運や武人としての活躍が長く続くことを意味する表現です。「長久」は「長く続くこと」を意味し、激励や応援をする際に使われる言葉です。
現代でも「ご武運を」と同じように「武運長久をお祈りします」といった形で、格式ある場面やビジネスシーンでの応援メッセージとして使うことができます。
「ご武運を」の明確な対義語はありません。強いてあげるとすれば、反対の意味を持つ「武運拙く(ぶうんつたなく)」という言葉が存在します。
「武運拙く」は「運に恵まれず、戦に敗れる」という意味合いで使われる言葉で、成功を祈るような前向きな表現ではありません。そのため、「ご武運を」のように定型文として用いられることは基本的にありません。
「ご武運を」の英語表現を見てみましょう。
- Good luck
- I’ll keep my fingers crossed
これは「幸運を祈ります」という意味で、日常会話からビジネスまで幅広く使われています。また、そのほかの表現としては、「Wish you luck」「Best of luck」など、丁寧なニュアンスを含んだ表現もあります。
カジュアルな表現なので、気軽に相手を応援できます。ハンドサインと一緒に使ってみてはいかがでしょうか。
「ご武運を」は、歴史ある美しい日本語表現として、相手への励ましや応援の気持ちを伝えるのに適した言葉です。
使う相手や場面を考慮して適切に用いることで、心に響くエールになることでしょう。大切な人にエールを送りたいときには、ぜひあなたの言葉で応援の気持ちを伝えてみてください。