「良心の呵責」の意味とは?
「良心の呵責」とは、自分の中にある良心によって、自分の行いを責めたり咎めたりして苦しくなることをいいます。

「良心の呵責」の「良心」とは、善を判断し、悪を排除しようとする心の働きのことをいいます。

そして「良心の呵責」の「呵責」とは、叱って責めること、責め苦しめることをいいます。ただ責めるだけでなく問い詰めたり、苦しめたりするという意味があります。

このように「良心」と「呵責」の言葉の意味を知っても、理解が難しい言葉ですよね。ということで今回は、正しい使い方や罪悪感との違いなどを見て、「良心の呵責」について一緒に理解を深めていきましょう。

「良心の呵責」の正しい使い方

では「良心の呵責」の理解を深めるために、例文を見ていきましょう。

  1. 良心の呵責に耐えられない
  2. 「買い物でお釣りを多く渡され黙っていたが、良心の呵責に耐えられそうにない」

    始めは罪悪感を無視できていても、良心が勝ってくると良心の呵責を感じることがあります。上の例でいうと、良心の呵責に耐えられなくなって、お金を返しに行くかもしれませんね。
  3. 良心の呵責に苛まれる
  4. 「階段でつまづいている人がいたけど無視してしまった。後から良心の呵責に苛まれた。」

    悪いことをしたわけではなくても「無視せず助ければ良かった」と、ひどく後悔して良心の呵責を感じることがあります。後から良心に従った方が良かったと思ったことがある人には、理解しやすい例文かもしれません。
  5. 良心の呵責を感じない
  6. 「並んでいる列に平気で横入りするあの子は、一切、良心の呵責を感じていないのだろう」

    他者のデリカシーがないことやマナーが悪いことを責める意図で「良心の呵責」を使うことがあります。単に他者の非を責めるよりも、人柄自体を責めることになるため、かなり強い批判表現といえます。
「良心の呵責」と「罪悪感」の違い
「罪悪感」とは、悪い行いをしたと感じることです。

一方で「良心の呵責」は、悪い行いをした自分を責めることを指します。

同じ意味に捉えがちですが、罪悪感には「自分を責める」という意味が必ず含まれているわけではありません。
「良心の呵責」の類語・言い換え
  1. 罪の意識に苛まれる
  2. 「罪の意識に苛まれる」は、自分の行動で誰かが傷ついたり損をしたりしたときに「悪いことをしてしまった」と思う気持ちを表します。

    「罪の意識」が「良心」に対応し、「苛まれる」が「呵責」に対応するため、ほとんど同じような意味として使って問題ないでしょう。

    例「あの時の行動を思い出すと、罪の意識に苛まれる」
  3. 自責の念
  4. 「自責の念」とは自分を責める気持ちのことをいいます。「自責」とは、自分を責めることです。そのため、小さなミスなど良心に関わる事柄以外で自分を責める時にも使える言葉です。

    例「仕事上のミスは、あの点に関して気を付けていれば起きなかっただろう。今は自責の念に駆られている」
  5. 悔恨の情
  6. 悔恨の情(かいこんのじょう)とは、強く後悔する気持ちのことをいいます。感情を表す言葉であるため「怒り」や「悲しみ」などと同じような使い方をして問題ないでしょう。

    例「悔恨の情に打ちひしがれている」
  7. 慙愧の念
  8. 慙愧の念(ざんきのねん)とは、自分がしてしまった言動を恥じる気持ちのことをいいます。悔恨の情と同様、感情を表す言葉であるため「怒り」や「悲しみ」などと同じような使い方をして問題ないでしょう。

    例「間違った発言をして慙愧の念に駆られる」
「良心の呵責」の英語表現
良心は、英語で「conscience(コンシエンス)」といいます。「conscience」を使鵜のであれば「良心の呵責」と一番近い表現は「It pricks my conscience.(良心が痛む)」となります。

また突く・刺すという意味の「prick(プリック)」を使って「良心の呵責」と似た意味の言い方をすることもできます。

例「It pricked my conscience when I lied to her.(彼女に嘘をついたとき罪悪感を感じた)」
「良心の呵責」に耐えられないときの対処法
  1. 謝罪する
  2. 間違った言動で誰かを傷つけてしまったときは、謝罪できる状況であれば謝罪しましょう。誠意を見せるには会うことがベストですが、嫌がられているときは手紙やラインでも構いません。いち早く対応することがなにより大事です。
  3. 次に生かす
  4. 相手と疎遠になったときなど、謝罪出来なそうな場合は、失敗を次に活かせるように前をむくことも大切です。どうしても気持ちが収まらないときは、紙に気持ちを書いて吐き出してみましょう。
  5. 開き直る・忘れる
  6. 謝罪や反省をしてもどうしようもないことは、開き直るのも1つの手段です。「あの時は仕方がなかった」と理由を付けたり、なるべく忘れるよう努力したりしてみてください。少しずつでも、良心の呵責が薄れていくでしょう。
  7. 他に良いことをする
  8. 「悪い事をした」という意識が消えない場合は、ボランティアなど良い行いをするよう心掛けてみてください。誰かの為に行動することで、罪の意識が少しずつ薄れてくるかもしれません。
まとめ
良心の呵責はさまざまなシーンで使われる言葉なので、類義語や英語表現を知っておくと便利です。良心の呵責で自分を必要以上に責めてしまわないよう、日ごろから言動には注意して過ごしていきたいですね。
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