「甘んじて」は何と読む?
「甘んじて」は「あまんじて」と読みます。「かんじて」ではありません。

「甘んじて」はビジネスシーンでも使うことのある言葉であるため、相手に失礼のないよう正しく意味を理解しておきたいですよね。

今回は「甘んじて」の正しい意味や使い方について詳しく解説します。

甘んじての意味とは?

「甘んじて」とは、満足していないが仕方なくという意味です。

多くは、相手の要求を渋々飲むときに「甘んじて受け入れる」と使われます。

例えば会社間で交渉するときに、相手の提示した要求に多少の不満はあるけれど、契約自体はメリットの方が多いときに「そちらの要求を甘んじて受け入れます」と使います。

「仕方なく」という否定的なニュアンスを含む「甘んじて受け入れる」を使うのは失礼にあたるのではないか、心配になりますよね。では次で「甘んじて受け入れる」は失礼にあたるのかどうか詳しく見ていきましょう。
「甘んじて受け入れる」を使うのは失礼?
「甘んじて受け入れる」は「渋々」というニュアンスがあるため、状況によっては失礼にあたります。

ただ一方で「甘んじて受け入れる」には、相手の意見を全部、大人しく受け入れるという意味もあります。例えば、謝罪するときに「この度はご意見ありがとうございます。全て甘んじて受け入れ、改善に努めます。」と言えば、相手に平伏したようなニュアンスになります。

上記のような文では謝罪していることが伝わるため、「甘んじて受け入れる」を使用しても問題ないでしょう。ただ、相手の捉え方次第で失礼になるため、謝罪では使わない方が無難でしょう。
そのほか「甘んじて」の使い方
  1. 甘んじて○○する
  2. 「甘んじて」は「受け入れる」以外の言葉以外もつけることができます。

    ●「今回の件、結果は決して良くはなかったが、次への足がかりだと思って甘んじて認める」
    ●「相手の出方には不満な点も多いが、甘んじて何も言わないでおく」
    ●「長年、あの人はこの不遇な環境に甘んじてきた」
  3. 甘んじることなく
  4. 「甘んじることなく」と言うと、「現状に満足せず」という意味や「やむ負えないことと思わず」という意味になります。

    ●「新任であることに甘んじることなく、仕事に取り組むことが大事だ」
    ●「不況に甘んじることなく、試行錯誤を重ねたことが今回の結果に繋がった」
「甘んじて」の類語・言い換え
  1. 仕方なく
  2. 「甘んじて」の代わりに「仕方なく」を使っても問題ありません。「仕方なく」を使うときは、あからさまに嫌々であることが伝わるため使いどころには注意が必要です。

    似たような言葉に「やむ負えず」もあります。これも「仕方なく」と同じ使い方をします。例文を見てみましょう。

    ●「仕方なく相手の要求を受け入れた」
    ●「やむ負えずこちらが不利になる状況を認めた」
  3. 不本意ながら
  4. 「不本意ながら」とは「自分の意図とは合わないが」という意味です。例文をみてみましょう。

    ●「不本意ながら、多少の改善があるというのでこの部署に留まることにした」
  5. 【番外編】甘受する
  6. 「甘受する」とは、仕方なく受け入れるという意味です。「甘んじて」の言い換えではなく、「甘んじて受け入れる」の言い換え表現です。例文をみてみましょう。

    ●「わたしに責任があることに変わりはないため、ご指摘、甘受します」
甘んじての英語表現
  1. be resigned to ~
  2. 「be resigned to ~」は「~を甘受する、諦めて~する」という意味です。

    ●「She is resigned to unjust treatment.(彼女は不当な扱いを甘んじて受け入れている)」
  3. accept ~ reluctantly
  4. 「accept ~ reluctantly」は「~を渋々受け入れる」という意味です。

    ●「She accepted his requests reluctantly.(彼女は彼の要求を甘んじて受け入れた)」
まとめ
「甘んじて受け入れる」には、渋々受け入れるという意味と、反論なく受け入れるという2つの意味があります。

できれば甘んじることなく行きたいところではありますが、「甘んじて」を使うときは、相手に勘違いされないように、他の言葉を前後につけて礼を尽くすと良いでしょう。
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