退院祝いとは?
退院祝いとは、病気やケガで入院された方の退院をお祝いする金品のことです。

退院祝いは、お見舞いをしている場合はしなくても構いません。お見舞いへのお礼を入院された方は送るという「快気祝い」というマナーもあり、過剰に贈り物をすると負担に思われる場合があります。ただメッセージを送ることは問題ないため、お気持ちだけは届けて置くと良いでしょう。

では、今回は退院祝いについてマナーや贈り物の選び方など詳しく見ていきましょう。

退院祝いと快気祝いの違い

退院祝いと快気祝いの違いは、贈り主にあります。

退院祝いは、入院していない側が贈るもので、快気祝いは、入院していた側がお見舞いに来てくれた人に退院の報告とお礼を兼ねて贈るものです。

快気祝いのマナーについてはこちらをご覧ください。

退院祝いのマナー
  1. 期間
  2. 退院祝いを贈るのにふさわしい期間は、退院から1週間~1ヵ月以内が目途です。退院直後の忙しい時期は避けつつ、あまり退院から期間が明かないように気を付けましょう。
  3. 予算の相場
  4. 高価すぎる退院祝いは、相手の負担になることがあります。予算の相場は大体3000~10000円くらいを目安にしておくと良いでしょう。
  5. 水引
  6. 退院祝いに使うのしには、繰り返さないお祝い事のときに使う紅白の結び切りを使いましょう。また、水引の本数は5本が最適です。何回繰り返しても良いお祝い事に使う蝶結びは避けましょう。
  7. のし紙、掛け紙
  8. 退院祝いには、のし紙ではなく掛け紙を選びましょう。のし紙に使われる右上の「のし飾り」は普段は縁起物ですが、退院祝いにおいては「病気が長引く」という意味になります。そのため、のし飾りが印刷されていない掛け紙の使用が一般的です。
  9. 表書き
  10. 退院祝いの表書きは「祝 御退院」と書きましょう。相手の状況に合わせて「祝 御回復」「祈 御全快」「祝 御回復」でも構いません。ボールペンや万年筆はあまり適切ではないため、毛筆か筆ペン・サインペンで書くようにしましょう。
  11. 内のし、外のし
  12. 退院祝いには、内のしが最適です。包装紙の内側にある内のしは、退院祝いなどお祝いを控えめにしたいときに使われています。中には病気からの快復を大々的に祝って欲しくない人もいるため、内のしを使うと無難です。
  13. お見舞いしている人の場合
  14. 入院中にお見舞いをした人は、手紙で気持ちを伝えるだけでも問題ありません。それでも何か贈りたい場合は、お返しは不要であることを伝えると、相手の負担にならず気持ちを伝えることができるでしょう。
退院祝いにふさわしい贈り物
退院祝いを贈るときは「病気やケガが尾を引かないように」という願いを込められるものを選ぶようにしましょう。それではおすすめの退院祝いを一緒に見ていきましょう。

  1. 食品
  2. 食品は「食べたら消える」ことから「病気やケガが消える」という意味を込めることができます。日持ちするお菓子や季節のフルーツなどは、退院祝いの中でも鉄板です。
  3. お花
  4. 退院祝いのお花は、お見舞いと同じく黄色やオレンジなどの明るい色を選びましょう。特別なマナーはありませんが、菊、シクラメン、椿などは死や苦を連想させ不吉であるため避けてください。
  5. 洗剤
  6. 食べ物と同じように、石鹸や洗剤は使ったら無くなることから「病気やケガが消える」という意味があります。また、病気やけがを洗い流すという意味を込められるので、退院祝いに最適です。
  7. タオル
  8. タオルは買い替える必要のある消耗品です。「いずれ消える」ということから「病気やケガが消える」といった願いを込められるため、退院祝いにふさわしい贈り物です。
  9. カタログギフト
  10. 自分の好きなものを選べるカタログギフトは、退院後も療養が必要な人にも贈ることができるプレゼントです。退院しても体調が戻らない場合は、無理に品物を渡さず、ゆっくり選べるカタログギフトを贈るのも良いでしょう。
退院祝いにNGな贈り物
退院祝いを選ぶときは、形が残るものや不吉な言葉・退院を連想させる商品は避けましょう。特別な希望がない限りは、選択肢から外しておくのが無難です。では、退院祝いのNG例について見ていきましょう。

  1. 鉢植え
  2. 鉢植えは「根付く」から病気が長引き退院できないという意味の「寝付く」という言葉を連想させます。花を贈る場合は鉢植えを避けましょう。
  3. 寝具類
  4. 寝具類は、病室や病床を連想させるものなので、退院祝いには向いていません。消耗品として捉えられる場合もありますが「病で寝付く」という意味にもつながるので、避けたほうがいいでしょう。
  5. 刃物
  6. 刃物には「縁を切る」という意味があります。基本的にお祝いには向いていないため、退院祝いでも避けた方が無難です。病気と縁を切るなどの捉え方もできますが、基本的には避けたほうがいい物です。
  7. 現金・商品券
  8. 退院祝いをはじめ、お祝いの品は現金以外の商品を贈ることがマナーです。金額がわかるものは失礼にあたると考える方も多いため、避けた方がいいでしょう。ただし、相手が現金を希望してきたときは贈っても構いません。
まとめ
退院祝いを贈るときは、さまざまなマナーがあります。覚えるのは大変ですが、今後のためにも勉強しておくと役立つでしょう。退院祝いに贈る品物にも意味が込められているので、何を贈ろうか迷ったときは直接相手に確認しても良いかもしれません。
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