共感性羞恥心とは?

共感性羞恥心(きょうかんせいしゅうちしん)とは、他者の言動を見たときにまるで自分のことのように恥ずかしくなってしまうという感情のことをいいます。

恥ずかしいという思いは本来、自分の言動を他者から非難されるのではないかと思ったときに起こるものです。それに対して共感性羞恥心は、他者の言動に恥ずかしさを感じるものです。なぜ、他人の言動に恥ずかしさを覚えるのか。それは、他人の状況に自分を投影するからです。そのため、自分と心理的に距離の近い人に対して起こりやすいといわれています。

共感性羞恥心の例として、自分でするのは恥ずかしいような動きを見たときや上司に怒られている人を見たときなどがあります。他にもSNS上の動画やコメントに恥ずかしさを覚えるなど、他人の言動で恥ずかしくなった経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。

今回は、そんな共感性羞恥心の原因と対処法について紹介していきます。
共感性羞恥心の原因
  1. 共感力
  2. 他人の感情や状況を自分のことのように考えてしまうことで共感性羞恥心は生まれます。
  3. ルールから外れることを恥だと思う習性
  4. 人は周囲の目を気にして社会や自分なりのルールを作ると、その枠から外れることに恥かしさを覚えてしまうものです。

    人によってルールの程度は様々なので、自分が恥ずかしいから絶対やらないと思っている言動を他人がしてしまうこともあります。

    自分が意識してしないようにしていることなので、つい目が行って恥ずかしいと思ってしまうのです。
  5. 過去がフラッシュバックするから
  6. 自分が以前体験した恥ずかしい出来事を他人が経験すると、過去の思い出がよみがえって恥ずかしい気持ちも一緒に思い出してしまいます。
共感性羞恥心を感じやすい人の特徴
  1. 共感力が高い人
  2. 人の感情や状況を自分のことのように感じるのが日常になっている人は、心の距離感が近くない人にも共感性羞恥心を抱いてしまいます。
  3. 人の目を気にしている人
  4. 周囲の目を気にしがちという人は、社会のルールやマイルールをたくさん意識しています。その分、人の言動に敏感で共感性羞恥心をは感じやすくなります。
  5. 失敗が嫌いな人
  6. 失敗することがとても恥ずかしいことだと思っている人は、人のちょっとした失態に恥ずかしさを感じてしまいます。
  7. 目立ちたくない人
  8. 注目されることに恥ずかしさを感じる人は、ちょっとしたことでも目立つのではないかと心配をして生活しています。

    他者の言動にも敏感なので共感性羞恥心を抱きやすいです。
共感性羞恥心の対処法
  1. 他人と自分は違うと割り切る
  2. 共感力が高い人は、人に起こっていることを「全く関係ない他人の話だ」と割り切ることで共感性羞恥心が和らいでいきます。

    恥ずかしさに耐えられないときは、多少毒を持って「あーあ。恥をかいても知らないよ」くらいのことを心の中でつぶやいてみてください。
  3. 個人差があるものと考える
  4. 少しはっちゃけた行動をとっても恥ずかしいと感じない人や怒られてもメンタルに響かない人がいるように、状況の感じ方は人それぞれです。

    あの人にとっては恥ずかしいことではないんだなと相手の感覚を理解すると恥ずかしい気持ちが和らいでいきます。かといって、恥ずかしいと思っている自分が間違った考え方をしているのではないかと心配する必要はありません。
  5. 過去を受け入れる
  6. 過去の恥ずかしい出来事を思い出してしまったときは、自分に向かって「あの時は恥ずかしかったけど大丈夫。ちゃんと生きてる」と言って見てください。

    実際、多少恥ずかしい出来事があってもすべて丸く収まるものです。恥ずかしがらなくて大丈夫ですよ。
  7. 失敗は笑いに変える
  8. 電車に乗り込もうとしてドアが閉まってしまったり、何もないところでこけたり、そういうちょっとした失敗は自分で笑い飛ばしてしまいましょう。人に話せるものがあれば、「こんなことがあって恥ずかしかったんだよねー」と伝えてみてください。

    そうやって失敗が恥ずかしいものではなくなっていくと、共感性羞恥心を感じるタイミングが減っていくことでしょう。
まとめ
共感性羞恥心を感じるタイミングは日常にたくさん溢れています。その全部を感じ続けることも、全てを感じなくなることも難しいことです。程よい恥ずかしさは日常のスパイスとして楽しむくらいにする方が楽な生き方かもしれません。
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