狐の嫁入りとは？意味や由来、行事、関連のある言葉を解説

天気雨とは、太陽の光で周囲が明るかったり、雲が見えないのに降っている雨のことをいいます。

「天気なのに雨が降る」という光景は、科学が進んでない頃であれば、まるで狐に化かされている気分になってもおかしくはない不思議な現象です。

そのため「狐が日の出る内にとり行うために、嫁入り行列を隠そうと雨を降らせている」と考えられるようになり、天気雨のことを「狐の嫁入り」と呼ぶようになったといわれています。

ちなみに、天気雨が起きる理由はいくつかあります。ここでは二つ紹介します。

一つは、雨が地上に落ちるまで10分ほどかかるため、その間に雲が消えて青空のもと雨が降るというもの。もう一つは、別のところで降っていた雨が風に流され、雲のないところで降るというものです。

このように天気雨の理屈が分かった今でも、なんとなく天気雨って不思議に思えます。昔の人であれば、尚のこと不思議だったことでしょう。

狐の嫁入りは、狐火を意味することもあります。

狐火とは、夜中に山や野原で灯りがついたり消えたりする現象のことをいいます。これもまた「天気雨」と同じく、狐に化かされているような不思議な現象です。

そのため狐火は「火を灯した狐が嫁入り行列をなしている様子」だと考えられてきました。ちなみに、狐火を見ることは縁起の良いものだったといいます。

狐火の正体には諸説あり、光の屈折によるものや自然発火などが考えられています。

つまり昔は、不思議な現象＝狐の仕業ということになっていたということなのでしょう。

一部の地域では、空は晴れているのに雪が降ることを「たぬきの嫁入り」というそうです。たぬきも狐も人を化かすと言われてきた動物です。そのため、雪と雨で区別するためにそういわれているのでしょう。

ちなみに天気雪は、季語で「風花（かざはな）」という呼び名もあります。

天気雨のことを「狐のご祝儀」と違う言い方でするときもあります。

その他天気雨の呼び名は多く、「狐雨」「日照り雨」「日向雨（ひなたあめ）」「戯雨（そばえあめ）」「日和雨（ひよりあめ）」などがあります。

天気雨は、それだけ美しく不思議で人々に愛されてきた現象ということなのでしょう。