時候の挨拶【11月上旬・中旬・下旬】季節の挨拶文や結びの例文を紹介
時候の挨拶には何を書けばいい?
時候の挨拶とは、はがきや手紙で「拝啓」などの頭語の次に書く、季節の言葉を用いた文章のことです。

例えば時候の挨拶には「暑中お見舞い申し上げます」「○○ですがいかが、お過ごしでしょうか。」「○○の候」などがあります。

11月の時候の挨拶には何があるのでしょうか。ということで今回は、11月に使える時候の挨拶を上旬・中旬・下旬、そして漢語調・口語調に分けて見ていきましょう。

時候の挨拶の書き方・マナーをおさらい
  1. 時候の挨拶は必ず必要?
  2. 時候の挨拶は、必ずしも必要という訳ではありません。しかし、時候の挨拶を入れることで、相手への敬意や気遣いを示すことができ、本題もスムーズに提示することができるようになるでしょう。

    特に取引先や顧客へのビジネス文章では、時候の挨拶を加えることでより円滑なコミュニケーションを行えるようになるでしょう。
  3. メールやLINEでは省略できる?
  4. メールやLINEでは、時候の挨拶は不要という場合がほとんどです。なぜなら、メールやLINEは迅速なやり取りを求められるツールであるため、簡易的な挨拶の方が好まれるからです。

    そのため時候の挨拶の代わりに「いつもお世話になっております。」などの文の方が適切です。いくら迅速さを求められるからといって、すぐに本題に入るのは印象が良くないため控えましょう。
  5. 時候の挨拶の書き方例
  6. 時候の挨拶を入れる部分には、ある程度決まりがあります。では、挨拶状の書き方の例を見ていきましょう。

    ①語頭:文頭に記載する言葉のこと
    拝啓

    ②時候の挨拶
    金風の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

    ③本文
    このたびは、・・・・・・

    ④時候の挨拶(結び)
    秋も深まり肌寒くなる季節、ご自愛専一にてお願い申し上げます。

    ⑤結語:頭語と対になる締めの言葉のこと
    敬具

    ⑥後付:必要に応じて付ける日付や差出人名、宛名のこと
    令和〇年〇月
    住所 ○○○
    代表 赤裸々 花子
  7. 時候の挨拶の書き方例
  8. 時候の挨拶には、漢語調と口語調(もしくは和語調)があります。

    漢語調は、主にビジネスの場で使われる格式高いかしこまった言い回しのことをいいます。ある程度、定型文など型がある表現が多く、礼節をしっかり守りたい相手に使うと良いでしょう。

    口語調(もしくは和語調)は、主にプライベートで付き合いのある人に使われる親しみ深い柔らかい言い回しのことをいいます。決まった型などはなく、季節を自由に表現できるという特徴があります。
11月の時候の挨拶【漢語調】

時候の挨拶は、それぞれ使える時期が決まっています。では、表で時候の挨拶と使える時期を確認していきましょう。

  1. 11月中ずっと使える時候の挨拶
  2. 向寒の候 寒さが増していく頃
    落葉の候
    落ち葉の候
    落ち葉が舞う頃
    残菊の候 10月以降、菊がまだ咲き残っている頃
  3. 11月上旬【漢語調】
  4. 初冬の候 11月7日(立冬)~12月6日頃
    夜寒の候 秋以降の夜になると寒さが増す頃
    深冷の候 11月7日頃の立冬を過ぎてから、11月下旬まで
    暮秋の候 10月8日頃の寒露~11月7日頃
    晩秋の候 10月8日~11月6日頃
    菊花の候 菊が咲いている頃
    初霜の候 11月中旬〜下旬頃
    冷雨の候 雨の冷たさが際立つ頃
    霜秋の候 立冬前後から11月下旬
  5. 11月中旬【漢語調】
  6. 立冬の候 11月7日~11月21日頃
    孟冬の候 11月中旬から12月の初旬
  7. 11月下旬【漢語調】
  8. 小雪の候 小雪の候
    初雪の候 初雪が振る頃(地域によって異なる)
11月の時候の挨拶【口語調】
口語調の時候の挨拶は、比較的親しみのある相手に使うものです。季節を自由に表現できるため、次の文も、好みの表現に変えて使ってみてください。

  1. 11月上旬【口語調】
  2. ●日に日に寒さを増す時節となりました。
    ●落ち葉が舞い地面を彩る季節となりました。
    ●菊の花が香り高い季節となりました。
    ●落ち葉を踏む音に心弾ませる季節となりました。
    ●秋が深まり朝夕の冷えを感じる時節となりました。
    ●木枯らしが肌にしみ冷え込むようになりました。
    ●暦の上ではいよいよ立冬を迎えました。
  3. 11月中旬【口語調】
  4. ●白い湯気を上げる鍋料理が恋しい頃となりました。
    ●庭のイチョウもすっかり黄金色になりました。
    ●七五三の晴れ着姿を見かける時期となりました。
    ●鮮やかな錦秋の時期が過ぎ、冬の気配が濃くなってまいりました。
    ●冬の息吹を感じる今日この頃。
    ●ゆく秋に寂しさを覚える頃となりました。
    ●暦は立冬を過ぎましたが、ここ数日は穏やかな小春日和が続いております。
  5. 11月下旬【口語調】
  6. ●初雪の便りが届くころとなりました。
    ●気づけば日脚もめっきり短くなり、秋の終わりを感じております。
    ●こたつを出そうかと思う寒さとなりました。
    ●冬が駆け足で近づいてきましたね。
    ●吐く息が白くなり、冬の気配を感じる今日この頃。
11月の結びの挨拶
結びの挨拶は、相手の健康や繁盛を願うのが一般的です。季節ならではのものを知っていると、より情緒深い文を作ることができます。

  1. 11月上旬の結びの挨拶
  2. ●朝晩の冷え込みにお体を崩されませぬようご自愛ください。
    ●小春日和が続いております。急な寒さに体調を崩されませぬようどうかお気をつけください。
    ●落ち葉で色づく晩秋の候、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
    ●向寒のみぎり、ご健康とさらなるご活躍を祈念申し上げます。
    ●季節の変わり目となりました。どうぞお健やかにお過ごしください。
    ●寒さが募る頃となりました。お風邪など召されませんようお気をつけてお過ごしください。
  3. 11月下旬の結びの挨拶
  4. ●本格的な冬を迎えようとしている今日この頃、懸港には十分留意してお過ごしください。
    ●今年もいよいよ残りわずかとなりました。貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
    ●年末に向かい何かとご多忙のことと拝察いたしますが、どうぞお体にはお気を付けください。
    ●夜寒の折、体調を崩されませぬようご自愛ください。
    ●日毎に寒さが募ってまいります。ご自愛専一にお過ごしください。
    ●繁忙となる年末に向けてご自愛ご発展のほどお念じ申し上げます。
まとめ

11月はまだ秋とはいえ、寒さも激しさを増す季節です。口語調であれば、こたつや温泉など体を温めるものを入れてみると、時候の挨拶が華やぐことでしょう。

寒さの中でも幸せを見つけられるような、そんな心豊かな文で相手への敬意を示してみてください。では、寒さに向かう折り、皆様が素敵な挨拶状が書けることを心よりお祈り申し上げます。

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