土用の丑の日とは?


「土用の丑の日(どようのうしのひ)」とは、季節の変わり目である土用の期間に訪れる丑の日のことです。

「土用」とは、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間のことをいいます。そして「丑の日」とは、立春から数えて巡ってくる干支(子・丑・寅・卯…)の二番目・丑の日のことです。そのため、土用の丑の日は年に数回訪れます。

その中でも有名なのは立秋の前7月に訪れる土用の丑の日ですよね。ということで今回は、夏の土用の丑の日についてより詳しく見ていきましょう。

土用とは?

  1. 納涼会・飲み会
  2. 土用とは、季節の変わり目の期間のことをいいます。

    その由来は、古代中国から伝わった五行説にあります。五行説とは、すべてのものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つから成り立っているという思想です。五行はそれぞれ、「木=春」「火=夏」「金=秋」「水=冬」を象徴しています。そして、残りの「土」は季節の変わり目の象徴とされています。

    なぜ土用と言うようになったのかというと、土用は「土旺用事(どおうようじ)」が縮まってできたと言われています。「土旺用事」とは、土が最も活発になる時期、土の作用が強まる季節、つまり季節の変わり目のことを指します。
  3. 納涼会・飲み会
  4. 土用の間日(どようのまび)とは、土用の間に訪れる土を動かす作業をしても良い日のことです。

    土用の期間は、土公神(どこうしん)といわれる土を司る神が支配する期間と言われています。そのため、草むしりや庭いじり、基礎工事など土を動かす作業を避ける習慣があります。その中で、土を動かしても良いとされている日が、土用の間日と言われる日です。

    土用の間日は、この日に訪れます。

    冬土用 寅・卯・巳の日
    春土用 巳・午・酉の日
    夏土用 卯・辰・申の日
    秋土用 未・酉・亥の日

土用の丑の日はいつ?

2025年の土用の丑の日は、2回訪れます。

2025年の土用の丑の日は…

7月19日(土)、7月31日(木)

土用の約18日間は、年によっては十二支が二順することもあるため、丑の日が2回訪れることもあります。1回目の丑の日を「一の丑」と言い、2回目の丑の日を「二の丑」と言います。

そのほかの2025年~2026年の土用の日はこちら。

秋土用 10月23日(木)~11月4日(火)
冬土用 1月17日(土)~2月3日(火)
春土用 4月17日(金)~5月4日(月)
土用の丑の日の風習

土用の丑の日には、暑い夏を乗り切るためのさまざまな風習があります。どのような風習があるのか、その中でも代表的なものをいくつかご紹介します。

  1. 丑湯
  2. 丑湯は、薬草を入れたお風呂に入って、無病息災を願う風習です。当時は菖蒲や桃の葉などを湯に入れて、体の疲れを癒していたといわれています。
  3. きゅうり加持
  4. きゅうり加持は、真言宗の寺院などで行われる祈祷法で、きゅうりに病気や厄を封じて供養するものです。病をきゅうりに移すことで、身代わりとして健康を願います。
  5. 土用の虫干し
  6. 土用の虫干しは、衣類や書物を風通しの良い場所で乾かし、湿気や虫害を防ぐ生活の知恵です。昔から続くこれらの風習は、現代にも通じる夏の過ごし方といえるでしょう。
うなぎを食べる理由

夏の土用の丑の日には、うなぎを食べる習慣があります。

昔から続く日本ならではの風習ですが、なぜうなぎを食べるのかご存じでしょうか?では、土用の丑の日にうなぎを食べる理由を解説していきます。

  1. 「う」がつくから
  2. 「う」のつく食べ物は、「丑」にちなんで夏に負けないための縁起物と言われてきました。うなぎ以外にも、うどん、うり、梅干しなど、「う」がつく食べ物は夏バテ防止になると信じられていたのです。
  3. 栄養価が高いから
  4. うなぎはビタミンAやB群、E、Dなどが豊富に含まれ、体力が落ちやすい夏にぴったりのスタミナ食です。そのため、気温が高くなり体力が落ちる夏に食べられるようになったといわれています。
うなぎ以外の食べ物

土用の丑の日に食べるのは、うなぎだけではありません。では、土用の丑の日にはどのようなものを食べるのか、一緒に見ていきましょう。

  1. 「う」のつくもの
  2. 「う」のつく食べ物として、うどん、うり、梅干しなどがあります。「う」のつく食べ物は縁起が良いとされており、縁かつぎとしても好んで食べられています。
  3. 土用たまご
  4. 夏の土用にたまごを食べて、滋養をつけるという風習もあります。たまごは消化吸収も良く、タンパク質やビタミン類などの栄養素も豊富な食べ物です。
  5. 土用シジミ
  6. 夏はシジミの旬でもあり、肝臓をいたわる成分が多く含まれているので、土用の丑の日に食べられることがあります。味噌汁にすれば、暑さで弱った体に染みわたりますよね。
まとめ

土用の丑の日には、うなぎをはじめとする「う」のつく食べ物や、古くから伝わる風習がいくつもあります。こうした伝統には、夏を元気に乗り越えるための知恵がたくさん詰まっています。

ぜひ、自分に合った風習や食べ物を取り入れて、暑い夏を健康に過ごしていきましょう。

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