時候の挨拶には何を書けばいい?
時候の挨拶とは、はがきや手紙で「拝啓」などの頭語の次に書く、季節の言葉を用いた文章のことです。

例えば時候の挨拶には「寒中お見舞い申し上げます」「○○ですがいかが、お過ごしでしょうか。」「○○の候」などがあります。

3月の時候の挨拶には何があるのでしょうか。ということで今回は、3月に使える時候の挨拶を上旬・中旬・下旬、そして漢語調・口語調に分けて見ていきましょう。

時候の挨拶の書き方・マナーをおさらい
  1. 時候の挨拶は必ず必要?
  2. 時候の挨拶は、必ずしも必要という訳ではありません。しかし、時候の挨拶を入れることで、相手への敬意や気遣いを示すことができ、本題もスムーズに提示することができるようになるでしょう。

    特に取引先や顧客へのビジネス文章では、時候の挨拶を加えることでより円滑なコミュニケーションを行えるようになるでしょう。
  3. メールやLINEでは省略できる?
  4. メールやLINEでは、時候の挨拶は不要という場合がほとんどです。なぜなら、メールやLINEは迅速なやり取りを求められるツールであるため、簡易的な挨拶の方が好まれるからです。

    そのため時候の挨拶の代わりに「いつもお世話になっております。」などの文の方が適切です。いくら迅速さを求められるからといって、すぐに本題に入るのは印象が良くないため控えましょう。
  5. 時候の挨拶の書き方例
  6. 時候の挨拶を入れる部分には、ある程度決まりがあります。では、挨拶状の書き方の例を見ていきましょう。

    ①語頭:文頭に記載する言葉のこと
    拝啓

    ②時候の挨拶
    金風の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

    ③本文
    このたびは、・・・・・・

    ④時候の挨拶(結び)
    秋も深まり肌寒くなる季節、ご自愛専一にてお願い申し上げます。

    ⑤結語:頭語と対になる締めの言葉のこと
    敬具

    ⑥後付:必要に応じて付ける日付や差出人名、宛名のこと
    令和〇年〇月
    住所 ○○○
    代表 赤裸々 花子
  7. 時候の挨拶の書き方例
  8. 時候の挨拶には、漢語調と口語調(もしくは和語調)があります。

    漢語調は、主にビジネスの場で使われる格式高いかしこまった言い回しのことをいいます。ある程度、定型文など型がある表現が多く、礼節をしっかり守りたい相手に使うと良いでしょう。

    口語調(もしくは和語調)は、主にプライベートで付き合いのある人に使われる親しみ深い柔らかい言い回しのことをいいます。決まった型などはなく、季節を自由に表現できるという特徴があります。
3月の時候の挨拶【漢語調】

時候の挨拶は、それぞれ使える時期が決まっています。では、表で時候の挨拶と使える時期を確認していきましょう。

  1. 3月中ずっと使える時候の挨拶
  2. 弥生の候 3月中
    仲春の候 3月上旬~4月上旬
  3. 3月上旬【漢語調】
  4. 早春の候 2月4日頃(立春)~3月中旬
    浅春の候 2月4日頃(立春)~3月4日頃(雨水)
    啓蟄の候 3月6日頃~3月21日頃(啓蟄)
    軽暖の候 3月上旬~3月中旬
  5. 3月中旬【漢語調】
  6. 春情の候 3月中旬~3月下旬
    春色の候 3月中旬~下旬
    萌芽の候 3月中旬~3月下旬
  7. 3月下旬【漢語調】
  8. 春暖の候 3月下旬
    春分の候 3月21日頃~4月4日頃(春分)
    麗日の候 3月下旬~4月上旬
    春陽の候 3月下旬~4月上旬
    春光の候 3月下旬~4月上旬
    春風の候 3月下旬~4月上旬
    桜花の候 3月下旬~4月上旬
3月の時候の挨拶【口語調】
口語調の時候の挨拶は、比較的親しみのある相手に使うものです。季節を自由に表現できるため、次の文も、好みの表現に変えて使ってみてください。

  1. 3月上旬【口語調】
  2. ●春が来たとはいえまだ寒さが続いております
    ●草木の萌え出ずる頃となりましたが
    ●春まだ浅い時期ですが
    ●春風の心地よい時期となりましたが
    ●春うらら、穏やかにお過ごしかと思います
  3. 3月中旬【口語調】
  4. ●暖かさが増し春の訪れを感じる今日この頃
    ●春の日差しが感じられる頃となりました
    ●桜の見ごろとなりました
    ●桜の花も満開となりました
    ●小鳥のさえずりに笑みがこぼれる時期となりました
  5. 3月下旬【口語調】
  6. ●春の暖かな日差しを感じる頃となりましたが
    ●春も深まりあたりが華やぐ時期となりました
    ●春雷の鳴り響く頃となりましたが
3月の結びの挨拶
結びの挨拶は、相手の健康や繁盛を願うのが一般的です。季節ならではのものを知っていると、より情緒深い文を作ることができます。

  1. 3月上旬の結びの挨拶
  2. ●春とはいえ、雪降り積もる頃ですので、くれぐれもお体にご留意ください。
    ●いまだ寒暖定まらない時期ですので、どうぞご自愛専一にてお願い申し上げます。
    ●年度末となりご多忙のさなかと存じます。ご体調を崩されませんようご留意ください。
    ●春のうららかな陽気の中、益々のご活躍をされていきますことをお祈り申し上げます。
    ●花便りも待ち遠しいです。どうぞお元気でお過ごしください。
  3. 3月下旬の結びの挨拶
  4. ●桜花爛漫の折、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
    ●早春の息吹を感じつつ、どうぞお健やかにお過ごしください。
    ●新年度にそなえ、何かと慌しくなりがちですが、どうぞご自愛ください。
まとめ
3月は心躍る春の始まりです。寒さはまだ残りますが、少しづつ暖かくなることに喜びを感じられるような文章を送ると喜ばれるでしょう。それでは皆様、春の陽気を感じる昨今、どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。
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