時候の挨拶には何を書けばいい?

時候の挨拶とは、はがきや手紙で「拝啓」などの頭語の次に書く、季節の言葉を用いた文章のことです。

例えば時候の挨拶には「寒中お見舞い申し上げます」「○○ですがいかが、お過ごしでしょうか。」「○○の候」などがあります。

5月の時候の挨拶には何があるのでしょうか。ということで今回は、5月に使える時候の挨拶を上旬・中旬・下旬、そして漢語調・口語調に分けて見ていきましょう。

時候の挨拶の書き方・マナーをおさらい
  1. 時候の挨拶は必ず必要?
  2. 時候の挨拶は、必ずしも必要という訳ではありません。しかし、時候の挨拶を入れることで、相手への敬意や気遣いを示すことができ、本題もスムーズに提示することができるようになるでしょう。

    特に取引先や顧客へのビジネス文章では、時候の挨拶を加えることでより円滑なコミュニケーションを行えるようになるでしょう。
  3. メールやLINEでは省略できる?
  4. メールやLINEでは、時候の挨拶は不要という場合がほとんどです。なぜなら、メールやLINEは迅速なやり取りを求められるツールであるため、簡易的な挨拶の方が好まれるからです。

    そのため時候の挨拶の代わりに「いつもお世話になっております。」などの文の方が適切です。いくら迅速さを求められるからといって、すぐに本題に入るのは印象が良くないため控えましょう。
  5. 時候の挨拶の書き方例
  6. 時候の挨拶を入れる部分には、ある程度決まりがあります。では、挨拶状の書き方の例を見ていきましょう。

    ①語頭:文頭に記載する言葉のこと
    拝啓

    ②時候の挨拶
    金風の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

    ③本文
    このたびは、・・・・・・

    ④時候の挨拶(結び)
    秋も深まり肌寒くなる季節、ご自愛専一にてお願い申し上げます。

    ⑤結語:頭語と対になる締めの言葉のこと
    敬具

    ⑥後付:必要に応じて付ける日付や差出人名、宛名のこと
    令和〇年〇月
    住所 ○○○
    代表 赤裸々 花子
  7. 時候の挨拶の書き方例
  8. 時候の挨拶には、漢語調と口語調(もしくは和語調)があります。

    漢語調は、主にビジネスの場で使われる格式高いかしこまった言い回しのことをいいます。ある程度、定型文など型がある表現が多く、礼節をしっかり守りたい相手に使うと良いでしょう。

    口語調(もしくは和語調)は、主にプライベートで付き合いのある人に使われる親しみ深い柔らかい言い回しのことをいいます。決まった型などはなく、季節を自由に表現できるという特徴があります。
5月の時候の挨拶【漢語調】
時候の挨拶は、それぞれ使える時期が決まっています。では、表で時候の挨拶と使える時期を確認していきましょう。

  1. 5月中ずっと使える時候の挨拶
  2. 緑風の候 5月全般
    軽暑の候 5月全般
    新緑の候 5月上旬~6月上旬
    向暑の候 5月上旬~6月上旬
  3. 5月上旬【漢語調】
  4. 青葉の候 5月上旬
    藤花の候 藤が見頃の時期
    新茶の候 4月下旬~5月1日頃(八十八夜)
    晩春の候 4月4日頃(清明の日)~5月4日頃(穀雨)
    惜春の候 4月中旬~5月6日頃(立夏)
    残春の候 4月中旬~5月6日頃(立夏)
    麗春の候 4月下旬~5月6日頃(立夏)
    葉桜の候 4月下旬~5月中旬
    薫風の候 5月6日頃(立夏)~5月下旬
    初夏の候 5月6日頃(立夏)~6月初旬
  5. 5月中旬【漢語調】
  6. 若葉の候­ 5月中旬
    立夏の候 5月6日頃(立夏)~5月20日頃
    薄暑の候 5月6日頃(立夏)~6月4日頃(小満)
  7. 5月下旬【漢語調】
  8. 小満の候 5月20日頃~6月4日頃(小満)
5月の時候の挨拶【口語調】
口語調の時候の挨拶は、比較的親しみのある相手に使うものです。季節を自由に表現できるため、次の文も、好みの表現に変えて使ってみてください。

  1. 5月上旬【口語調】
  2. ●爽やかな初夏の風を感じる季節となりました
    ●風薫る爽やかな季節となりました
    ●八十八夜の別れ霜を過ぎ、本格的に暖かくなってきました
    ●春の陽気に名残惜しさはありますが、夏の始まりにも心躍る時季となりました
    ●五月晴れが心地よい時季となりました
  3. 5月中旬【口語調】
  4. ●新緑が目に鮮やかな時季となりました
    ●連休が過ぎ、気温の高まりをひしひしと感じております
    ●新風のひととき、いかがお過ごしでしょうか
  5. 5月下旬【口語調】
  6. ●葵祭が過ぎ、暑さもいよいよ高まって参りました
    ●早くも紫陽花が咲き、梅雨が近いことを感じています
5月の結びの挨拶
結びの挨拶は、相手の健康や繁盛を願うのが一般的です。季節ならではのものを知っていると、より情緒深い文を作ることができます。

  1. 5月上旬の結びの挨拶
  2. ●爽やかな初夏の風に吹かれ、どうぞお健やかな日々をお過ごしください。
    ●季節の変わり目、くれぐれもお身体にはご留意ください。
    ●若葉深まるこの季節、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
  3. 5月下旬の結びの挨拶
  4. ●暑さも本格的になるこの時期、お身体を崩しませんようお過ごしください。
    ●梅雨も近づいております。ご無理をなさいませんようご自愛ください。
    ●過ごしやすい時季とはいえ、くれぐれもご健康にお気を付けてお過ごしください。
まとめ
5月は夏の始まり。緑が深まる時季でもあり、梅雨へ近づく時季でもあり、目まぐるしく変化していく月です。楽しく明るくも、相手を気遣う一文があれば、きっと喜ばれることでしょう。それでは皆様、心地よい爽やかな風の中、ますますご清栄をお祈り申し上げます。
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