お正月とは?
お正月とは、年初めのことを指す1月の別称です。文化的には旧年が終わり無事に新年を迎えられたことを祝う行事のことを指します。飾り付けをしたり、行事を行ったり、おせち料理を食べたりして祝います。

また、お正月とは一般的に7日までのことを指し、三が日とは、1月1日・2日・3日までの3日間のことです。

ここからは、お正月の由来やお正月にまつわるものについて詳しく見ていきましょう。

お正月の由来

お正月は、1年の幸福をもたらすために各家庭に降臨する神様を迎え入れるという風習が由来になっています。この神様は「年神様(としがみさま)」と呼ばれ、祖霊神・田の神・山の神として子孫繁栄や五穀豊穣、健康といった幸福を授けてくれると言われており、正月の神様「歳徳神(としとくじん)」とも呼ばれています。

この神様を受け入れて家庭内に福を入れるために、大晦日は大掃除をしたりご馳走を用意したりとしたところから、現在日本にあるおせちや行事が風習として生まれたのです。

また、旧正月とは、歴が変わってずれが生じているだけなので、正月と旧正月のどちらが正しいと言う考えはありません。旧正月は、大体1月後半から2月前半あたりに来ることが多いです。2024年の旧正月は、2月10日が元旦に当たります。

中国や韓国の場合は、旧暦に合わせて正月休みの連休に入ります。お正月の由来は同じであるため、過ごし方は日本とほとんど変わりません。日本の文化と異なる点は、日本以上に花火や爆竹を使うなど、盛大なお祝いをするところです。
お正月飾り
お正月といえば正月飾り。お正月飾りを飾る期間は、12月13日〜1月7日までです。飾りを飾っておく期間のことを「松の内」と呼びます。29日や31日に飾ってしまうと、「二重苦」や「一夜飾り」と呼ばれ、年神様を迎えるにあたって失礼になるので注意しましょう。

各飾りごとの飾る意味と由来は以下の通りです。参考にしてみてくださいね。
  1. しめ縄
  2. しめ縄とは、自宅が年神様がいらっしゃる神聖な場所と示すもの。目印として玄関先に飾ります。しめ縄には紙垂・裏白・譲り葉など縁起物を飾り付けたものが多くあります。
  3. 門松
  4. 門松もしめ縄と同じように玄関先に飾るもので、年神様がいらっしゃる目印になります。家の門や玄関先に左右対称に飾るのが慣わしです。また、元々は松飾が使われていましたが、室町時代から竹も添えられるようになり、現代の門松となりました。
  5. 鏡餅
  6. 鏡餅とは、年神様が宿る「依代(よりしろ)」を意味します。基本的には家の中に飾るのが慣わしで、家族みんなが集まる場所や玄関、神棚などに飾るのがいいとされています。また、家長が年神様の宿った鏡餅を「御年魂」として家族に配ったことが現代の「お年玉」の起源です。
お正月の食事
  1. 年越しそば
  2. 年越しそばは大晦日に食べるものです。そばのように細く永く長寿であるように願いが込められています。江戸時代に忙しい月末に手っ取り早く食べられるそばを好んだことを「晦日そば」といい、その風習が大晦日に残ったものが現代も続く年越しそばだといわれています。
  3. お雑煮
  4. お雑煮は、年神様が宿った鏡餅を下ろしていただくための料理です。食べることで新年の力を頂戴することができます。元は酒宴前の前菜として食べて、胃を安定させるためのものと言う説もあります。
  5. おせち料理
  6. おせち料理とはもともと神様に備えるための供物料理です。伊達巻きは「知恵が増えるように」、栗きんとんは「金運招来」、黒豆煮は「健康祈願」、野菜の炊き合わせは「家族繁栄」、土佐漬け「子孫繁栄」、海老は「長寿祈願」、たづくりは「五穀豊穣」、たたきごぼうは「家の基盤を堅く」という願いが込められている縁起物です。
  7. おとそ
  8. おとそとは、新年も健やかに過ごせるように願い飲む薬酒です。漢字では「お屠蘇」と書き、邪気を屠(ほふ)ると言う意味合いが込められています。
  9. 七草がゆ
  10. 七草がゆとは、1月7日に食べると、1年間病気にならないと言う意味が込められた料理です。また、お正月の御馳走で疲れてしまった胃腸を労ると言う効果もあります。
初詣はいつまでにするもの?
初詣とは、その年に初めて神寺に行くことで、厳密には行く日が決まっているものではありません。初詣に行くと新年の幸福が増すとされています。

基本的に行く日が決まっているわけではありませんが、早く行った方がいいともされています。そのめ、夜中から神社に並ぶ方もおり、1月1日の神社は混むことが多いです。元日に行けない場合は、3日までに行くといいでしょう。

また、3日までに行けない場合は、松の内の期間までに行くのがおすすめです。松の内の期間は大体7日までで、地域によっては15日になります。理由としては、松の内とは年神様がいらっしゃる期間を指し、初詣は年神様に去年までの感謝と新年の無事を祈るものだからです。必ず守る必要はありませんが、松の内の期間内を目安に初詣に行くと良いでしょう。
お正月にまつわるもの
  1. お年玉
  2. お年玉とは、現代では年明けに渡すお金のことをいいます。「御年魂(おとしだま)」という新年の力(年魂)を象徴したものが由来だとされています。それが現代ではお金に変わり「お年玉」と呼ばれるようになりました。
  3. 年賀状
  4. 年賀状とは、新年の祝賀の挨拶に行けない人に対して手紙を送るようになったことが由来です。新年の挨拶の手紙が葉書となり、年賀状へと変化していきました。現代は、メールやラインで送ることも多く、それも年賀状と言えます。
  5. 書き初め
  6. 書き初めは、新年の目標や抱負を書くことを指します。年神様がいるとされている恵方に向かって詩を読んだり祝賀をしたりしたことが由来です。書き初めは1月1日に行うのではなく、1月2日に行います。
  7. 初夢
  8. 初夢とは、その年に初めて見る夢を指します。その夢でその年の運勢を占っていたことが由来です。吉夢を見るために、枕の下に宝船をおいたり、回文を唱えたりします。
  9. 鏡開き
  10. 鏡開きとは、お正月に飾っていた鏡餅を食べることをいいます。鏡開きは、本来1月20日とされていましたが、徳川家光の月命日と重なるため、仕事始めの1月11日に変更されました。

    年神様が宿っていた鏡餅を食べて、その年の無病息災を願うという意味が込められています。また、鏡開きをすることでお正月に区切りをつける意味もあり、切り替えていくという思いも込められています。
  11. 除夜の鐘
  12. 除夜の鐘とは、大晦日から元旦にかけて108回鳴らす寺院の鐘のことをいいます。お正月、年神様を迎える前にお祓いをするために、人の108つの煩悩を鐘にして払おうとしたことが由来です。また、人間の煩悩ではなく、十二か月と二十四節気と七十二候を合わせた数で108という説もあります。
  13. 初日の出
  14. 初日の出とは、元旦の朝に出る太陽のことをいいます。初日の出は新年の始まりの象徴とされています。年神様はこの初日の出と共にやってくるとされており、年神様を拝むということからも、初日の出を拝むようになりました。
  15. 大掃除
  16. 大掃除は、年神様を迎えるための準備です。家の中や仏壇、神棚の埃を払って、年神様を迎え入れます。1年間で溜まった埃を払うことで、年神様がたくさんの利益を与えてくれるとされています。
  17. 左義長(さぎちょう)
  18. 左義長はどんど焼きとも呼び、1月15日の小正月にお正月飾りを焼く行事です。燃やすことによって、年神様が天上へと帰っていくとされており、この火で焼いたお餅を食べると無病息災になるといわれています。このように年神様を天上へと見送って、正月行事も無事に終了となり、日常へと戻っていくのです。
まとめ
お正月といえば美味しいお酒に料理でゆっくり過ごせる時間です。しかし、正月の由来を知らない方も少なくないでしょう。ぜひ本記事を読みながら、年神様について知り、新年も幸福な1年を過ごせますように。
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