ワンオペとは?
ワンオペとは、1人ですべての作業をこなすことを意味しています。育児や家事、仕事を全て1人で対応しなければならない状況に対して使われている言葉で、職場や家庭内などさまざまな場所で社会問題として注目されています。

英語では「one operation」と書きますが日本で使われている意味とは異なり、「1回で」「1つの運営」という意味があります。

では、「ワンオペ」とはどのような意味で使われているのかについて改めて説明していきます。一緒に確認していきましょう。

ワンオペの事例
  1. 職場
  2. 24時間営業の飲食店のワンオペ問題をみていきましょう。

    深夜まで営業しているお店は、来店客が少ないため配置される人員が少なくされている傾向にあります。これによって夜勤時はワンオペになってしまいます。接客や調理・清掃・発注など、本来数人で行う業務を1人でこなさなければならなくなります。また、来店客による問題行為が発生した場合も1人で対応しなければならず、ワンオペを任されているスタッフに大きな負担がかかってしまいます。
  3. 育児
  4. 近年は核家族化が進み、育児や家事を1人で対応しなければならない状況です。

    例えば、夫が協力でない家庭は妻が家のことをすべて対応しなければなりません。家事と育児で24時間動いて自由な時間がなく、心も体も疲弊してしまいます。現在では共働きの家庭も多いですが、「家事・育児は女性がするもの」といった認識がまだ根強いため、妻が仕事をしながらワンオペで育児・家事をしているのが現状です。
  5. 介護
  6. 高齢化が進んでいる現代で、問題になっているのが親の介護におけるワンオペです。

    両親が高齢となり介護が必要になった際、独身の子供または子供の配偶者が介護している状況が多く見られます。介護サービスを利用しても、夜間時の対応が続くと体力的にも厳しくなります。次第に仕事との両立が難しくなり、「介護離職」といって介護の負担から退職を余儀なくされる場合もあります。
ワンオペの基準は?
ワンオペがひとりで物事を行うことを意味するのであれば、家庭内の場合、母親や父親のどちらかが育児・家事を担当することがワンオペに当たります。「手が回らない」といった状況ではなく、「1人で対応しなければならない」といった状況がワンオペに当てはまります。

両親や祖母など他者の手を借りている場合はワンオペに当たりません。ただし、完全にひとりで回している訳ではなくても作業が偏っていると感じるときは、「ワンオペのような状況」と言うことができます。
ワンオペを使った言葉
  1. ワンオペ育児
  2. ワンオペ育児とは、両親のどちらかがパートナーの助けを借りずに家事・育児を行っていることを指します。例えば、両親のどちらかが激務で帰宅が遅い場合、必然的に片方のパートナーが家庭を優先しなければなりません。そういった状況を「ワンオペ育児」と呼びます。
  3. ワンオペ夫婦
  4. ワンオペ夫婦とは、夫婦のうちどちらかが育児・家事を担当していることをいいます。休日であってもサポートはせず自分を優先してしまうなど、どちらかに育児・家事の負担が偏ってしまうことを指しています。
  5. 結局ワンオペ
  6. 結局ワンオペとは、ワンオペ状態に陥っている当事者がその状況を打破すべくさまざまな解決策を試してみたものの、結果的に改善されないことをいいます。育児・家事の協力をパートナーに依頼しても得られなかったときなどに使われます。
ワンオペの解決策
  1. 飲食店
  2. 飲食店は深夜営業を行う場合も多くワンオペが発生しやすい環境です。

    まず、ワンオペになりやすい夜勤の仕事には、人手の確保が必要です。人手を確保したうえで、スタッフの配置を見直さなければなりません。また、人手を確保できない場合、営業時間を短縮し深夜営業を廃止するなど、ワンオペにならないように対策が必要です。

    ワンオペが発生する状況ではオペレーション全体に問題があるため、システムの再構築などを行うことでワンオペを解消できる可能性が高いです。
  3. 家事・育児
  4. 家庭内でワンオペが発生した場合、まずはパートナーとよく話し合いましょう。

    仕事が忙しい、残業が多いなど育児に多くの時間が取れなくても、ゴミ出しや掃除・洗濯など分担できる部分について話し合うことでワンオペ解消に繋がります。単身赴任などでどうしてもパートナーの協力が得られない場合は、両親や祖母・友人など第三者に協力を仰ぎましょう。また、一時保育やベビーシッター・家政婦などの利用を検討し情報を集めることも必要です。

    夫や第三者が自分の求めている水準に達していないからと家事や育児を任せずにいると自分をワンオペに追い込みます。完璧を求めずに協力してもらう体制を作るところから始めてみましょう。
  5. 介護
  6. ワンオペ介護の場合、まずは仕事との両立を考えなければなりません。

    仕事中には介護サービスなどを活用しましょう。夜間の介護サービスもありますので状況に応じて上手に使い分けてみてください。また、1人での介護に限界を感じたときは行政に相談してみましょう。

    介護は「子供が必ずしなければならない」といった決まりはありません。ご家族としっかり話し合ったうえで、デイサービスや老人ホームの入所なども視野にいれておくと安心です。各所で相談窓口があるため、親族だけではなく、第三者の意見も参考にしたうえで決めていきましょう。
まとめ
ワンオペ体制は、対応する人に大きな負担がかかります。仕事や家庭内でワンオペが発生した場合、無理して対応すると体を壊してしまう可能性もあります。まずは周りに相談し、ワンオペにならない仕組みを作ることが大切です。
その他のおすすめコラム