
己(つちのと)の特徴
優しさ、熱心、粘着性、慢心
己(つちのと)は、四柱推命で用いられる十干(じっかん)の一番目にあたる要素です。五行では「土」、陰陽では「陽」にあたる性質を持っています。優しさや熱心などのキーワードを持っています。
己は、田園の土や平地などをイメージする「土」の性質を持つ十干で、落ち着きや親しみやすさといった性格の持ち主です。穏やかなので、周囲の人とのコミュニケーションを大切にし円満な人間関係を築くことができます。また、水を吸う土のような包容力があり、周りの人に意見を聞きつつ、協力しながらバランスよく物事を進めていきます。
理解力の高さと面倒見の良さも持っているため、周囲からは良く頼りにされて世話を焼きます。ですが、内面には自分だけのこだわりを持っているため、ただ言うことを聞かせて操ろうとする人にはなびきません。ときに、そのこだわりに捨てることができず、頑固に思われてしまうこともあります。
己の強みは、あらゆることを柔軟に受け入れる器量の広さにあります。それは優しさでもあり賢さでもあり、多くの人を受け入れてみんなで平和でいようとする熱意でもあります。田の土は耕すことでより良い土になるように、固定観念にとらわれない土台作りを進めることが、飛躍のための一歩となるでしょう。
己の弱みは、粘着質な性質があるところです。柔軟な価値観を持っているがゆえに、迷いや不安を感じやすく、一度安心できる人や考え方を見つけると、しばらくそこに執着しがちです。若いうちは特にフラフラしやすく、人生の方針を定めるまではあらゆる人の意見に左右されて、時々自分を見失うこともあり得ます。
自分の能力を活用し、働いた分の報酬を得る正当な金の稼ぎ方を好む傾向にあります。周囲の状況をみながら自分の役割を果たします。
金運は良い方ですが、貯金が苦手で給料やボーナスを使い切ってしまいがち。そのため、せっかくの金運が途切れてしまいます。自動積み立てでの貯金をすれば、残ったお金で自然とやりくりができるようになるのでおすすめです。元々金運は良い己ですので、貯金スキルさえ身に着ければ良いお金の流れを保つことができます。
穏やかで話しやすい雰囲気から誰からも愛されますが、内面には頑固さを秘めていたり、ミステリアスさを持っていたりそのギャップが異性を惹きつけます。勉強家で豊富な知識を持ち、華やかな魅力はなくとも密かにその能力を高めていきます。
基本的に誰とでも分け隔てなく優しく接するので、八方美人のように思われるかもしれません。そのため、好きな人からは、友達感覚に思われてしまう傾向があります。その時には、はっきりと好意を伝えることでトントン拍子に恋に発展するでしょう。
十干同士で見たときに相性が良いと言われているのは「丙」「丁」「甲」です。ではそれぞれの関係性がどのようなものになるか見ていきましょう。
丙/ 丁/ 甲
- 丙/ 丁
己と相性の、好相性なのは「丙」と「丁」です。火は木を燃やし、灰(土)を生じることから、火は相性が良いと言えるでしょう。その相性は、己にとっては過ごしやすく、のびのびできる相性なので安心して付き合うことができます。
丙との関係は、丁は丙のペースや世話焼きなところに安心感を抱き、愛情にあふれた2人となります。ただ、夏生まれの己は、丙と関わることによって交友関係が広がり、疲れるような人たちとの関りも増えます。冬生まれの己は、丙と関わることによって助けてくれるような人との縁ができます。
丁との関係は、丁の細やかで的確な気遣いに安心できて、真面目な関係性を築くことができます。ただ、夏生まれの己は、長時間一緒に居ると丁からの干渉に疲れやすくなります。冬生まれの己は、干渉されていると感じづらい程よい関係になります。
- 甲
甲との関係は、程よくお互いが求め合い、深い信頼と愛情で通じ合うことができる間柄になります。甲は土の性質を持つ人から気力をもらいますが、もらいすぎると相手を振り回すことになります。けれど己は、甲に与えすぎないので、自然に支え合えるような関係になります。
十干同士で見たときに相性が悪いと言われているのは「庚」「辛」「戊」です。ではそれぞれの関係性がどのようなものになるか見ていきましょう。
庚/ 辛/ 戊
- 庚/ 辛
己と相性の悪い十干は、金の性質を持つ「辛」です。金は、土(鉱山など)から取り出すものであることから、土の性質を持つ己から気をもらうといわれているため、相性が良いとは言えません。辛の方が強い力関係になる傾向があります。
「庚」も金の性質を持つ十干ですが、湿土正金(しつどしょうきん)といって、相手の良さを消さない関係性となります。そのため、己が支えて庚が喜び、さらに庚の喜ぶ姿に心がほぐれるバランスの良い関係性となります。
辛との関係は、己が辛の繊細さに惹かれて世話を焼きたくなる関係です。世話を焼いたことによって辛が幸せを感じていることに、己も幸せを感じるでしょう。ただ、辛から与えてもらうことに期待すると上手く行きません。また、辛と関わることによって、世話を焼きたくなる人との縁が多くできるので、疲弊しやすいでしょう。
- 戊
戊との関係は、同じ土の性質を持つもの同士ではありますが、戊からの圧を感じて息苦しくなりやすい関係となります。特に夏生まれの己は、余計に負担を感じます。冬生まれの己であれば、相手の圧力に感謝できる瞬間もあるでしょう。
- 己巳(つちのとみ)
明るく、気さくな性格で裏表がないため多くの人から好かれる己巳。見た目の朗らかさとかわって、内面は非常に強い心の持ち主です。冷静で落ち着いた判断ができるため、感情に流されずどの分野においても成功しやすいです。
表には出しませんが、影で努力を重ねるタイプ。厳しい状況でも踏ん張る力はピカイチで、周囲からは一目置かれる存在です。ストイックさを周りの人にも求めてしまうことから、煙たがられることもあるので注意しましょう。
- 己卯(つちのとう)
己卯は自分の意見を周囲に認めてもらいながら突き通すのが得意で、自分の思い通りの方向に物事を進めることができます。商談や会議などでは、ごり押しした意見でなく、相手の立場になり意見を聞いて上手く折り合いをつけることができます。
面倒見が良く幅広い人脈を持ち、周囲の協力を難なく得ることができる才能の持ち主です。自分の信念を貫く精神を持っているため、一度決めたことはやり遂げようとします。
- 己丑(つちのとうし)
温厚で静かなタイプの己丑。人当たりが良く、話かけられればどんな人とも上手に付き合います。目立つアピールはしなくとも癒しのオーラを纏っているので不思議と周りに人が集まる性質を持っています。
温厚な雰囲気ですが実はこだわりは強いほうで、言い出したら貫く一面も持ち合わせており、周囲の人には驚かれることも。一つの事に打ち込むことができると、実力発揮が期待できます。
- 己亥(つちのとい)
鋭い観察力を持ち、周囲の状況をいち早くキャッチできる己亥はその観察力で波風を立てないように上手く立ち回ることができます。
温和で優しい心の持ち主ですが、嫌なことを指摘されたら一変反抗心が芽生えます。ルールやマナー、モラルなど守るべきものはすべて守る傾向が強く、周囲からは誠実な人の印象を持たれています。多くの人に愛され、「隣にいたら安心できる人」として認知されているでしょう。
- 己酉(つちのととり)
己酉は落ち着いていてとても穏やかな性格です。人は誰でもミスをするし、失敗もするという考えの持ち主なので怒ることもめったにありません。感情のコントロールが上手く、感情的になることもほぼ0なので周囲からの信頼が厚いです。
優しい分、環境によっては自分が気づかないうちストレスが溜まっていることも。良いことも悪いことも相談できる人を一人つくると大きな支えになります。
- 己未(つちのとひつじ)
子供の頃から勉強もスポーツも得意なTHE優等生タイプ。見た目は愛嬌があり、人懐っこい雰囲気を持っています。そのため、話しかけやすい気さくなイメージを持たれることが多いでしょう。
知識の吸収とアウトプットのセンスが抜群なので、仕事の場面においても活躍することができます。頭が良いことで他人を見下すことをせず、正義感がとても強いので周囲からは「信頼できる人」として評価が高いです。
甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 |
己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |